危機的な気候変動と環境危機の時代に、
生命尊重と平和を願う
日韓環境教育者宣言

 この5年間、人類は歴史上最も暑い期間を過ごしてきた。2018年に採択されたIPCCの「1.5 ℃」特別報告書では、地球全体の年平均気温が産業革命以前に比べ既に1 ℃程度高くなっているとされ、1.5 ℃を超えると生態系と人類は取り返しのつかない危機に直面すると警告し、今すぐ前例のない規模での政策の転換を要求している。

 災害の兆候は既に地球のあらゆるところで顕在化し、人々はもちろんすべての生命達の生存が脅威にさらされている。特に2019年、今年だけで約700万人の人々が環境災害によって故郷を離れた。オーストラリアの国立気候復元センターは、現在のような気候変動が続くことになると2050年には、約10億人の環境難民が発生すると警告している。

 過去200年間の環境汚染や自然破壊の過程において、政治的弱者や経済的弱者など、社会的に立場の弱い人たちが最も苦しい状況に追いやられてきた。このように環境問題が、今や政治的・経済的・倫理的な問題であることが明確になった。

 危機と災害は現在を超え未来へと拡大されている。今日も気候危機と環境災害の影響を長期にわたってより深刻に受けることになる世界の青少年達が、大人世代が彼らの未来を破壊しているとして、学校から街頭へ飛び出し、政府や企業に対して気候ではなく社会システムを変更すべきだと要求している。さらに、気候変化を減らし、環境災害に対処するために必要な環境学習の機会を要求している。親として教育者として私たちは彼らの要求と叫びを無視することはできない。

 我々の子どもたちは、刻々と迫っている気候変動などの環境危機に対して、十分な学びと行動をする機会を得ているだろうか。自分たちの未来が消え去る状況の中で、特に日韓の子どもたちは、何のために一生懸命勉強しているのだろうか。

 危機的な気候変動と環境災害の時代に、北東アジアの人々の生命と平和を願う私たち日韓の環境教育関係者は、未来の世代と自然、生命に対して大きな責任を全うするべく、次のように宣言する。

  1. 日本と韓国のすべての児童、青少年、そして市民達が環境災害と気候危機を認識し、主体的に対応できるために必要な力を育むために、いつでも、どこでも、良質な環境教育を受ける機会が保障されなければならない。
  2. 日本と韓国の政府は、社会システム全般に渡る改革を通して地球システムに基づく持続可能な文明を構築するように、現在の競争的、断片的な知識中心の教育体系を根本的に改革しなければならない。
  3. 日本と韓国の政府は、気候危機と環境災害に対応するために協働の努力が必須であることを認識し、近年悪化している両国の政治的・経済的・文化的な対立と葛藤を早急に解決するように努力しなければならない。
  4. 日韓の環境教育者は、友愛と相互尊重の精神に基づき、違いや多様性を尊重しながら、気候変動と環境災害に対応していくために、すべての領域で対話し、協力をする。 

2019年9月27日

日本環境教育学会と韓国環境教育学会、会員一同

 

PDFファイルはこちら(124KB)